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ゆるやかに自然と人と地域とつながる生活

水車の家

用途 サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、レストラン
所在地 東京都世田谷区
規模 RC造 地上6階
敷地面積 684㎡
延床面積 1584㎡
竣工 2016年3月

世田谷区の人通りの多い駅通りに面する一角に、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、レストランの複合施設を計画した。

3つの用途はそれぞれ独立しつつ、相互の気配を感じ、交流を図るために動線の起点としてモールを配置した。モールは地域の人も通り抜けできる路地として周辺環境とも有機的に連動させ、人々が気軽に話ができるソファが置かれてい る。モールを抜けた先には庭園をつくり、マルシェを開く予定である。

菜園、露天風呂、サンルーム、コミュニティサロンなど居住者が集まる場所をちりばめ、交流を誘う設えを大切にした。いくつものデッキ、屋外空間をつくり、ひとりでゆっくり過ごせる居場所も設けている。また、施設感を感じさせない、家庭的な場所となるように心がけた。例えば、住居面積は 33m²以上と余裕のある暮らしができる広さを持つ。どの住居にも2面に窓を設け、気持ちのよい緑の風と、午前と午後の穏やかな光を室内に導く。廊下側の窓からは中の生活が垣間見える。人の気配を 感じることで、自然にコミュニケーションがとりやすい関係が生まれる。

デイサービスを一つ屋根の下に配置することで、 健康面を日々維持できることも、居住者にとっては魅力的である。両施設のスタッフも、連携してサービスの円滑化、総合化が図れる。まちに開かれているライブレストランにも、デイサービスにも地域の人が訪れ、居住者との交流が生まれる。
サービス付き高齢者向け住宅は一人暮らしの多い場所だが、居住者同士、スタッフ、地域の人までも家族であるという、やさしいつながりがつくられていくことを切に願う。