VIEW MORE

オールドチャイナ

flat

用途 洋服屋
所在地 東京都渋谷区
工事種別 内装 全面改装
床面積 75㎡
竣工 2018年10月5日
施工協力 Ratchet-Osaka 岡博史 ギャル男研究所 HITTITE トランスフォーマー
撮影 松野葉子

「オールドチャイナ、階層のある空間」ということが施主からの希望であった。

まずはモルタルの床に白チョークで、実寸で図面を描いては消しの連続で、ライブ感覚で形づくっていった。

中国の路地裏のようなむき出しの白い壁に、唐草模様の深い赤いカーペット。
その上には木材を手彫りで彫り込んだ中華模様柄や、トーテムポールのような可動靴棚、竹林をイメージさせるカウンター。
上部には、空中を泳ぐゆるやかな曲線をもったアイアンゲートの間で、赤と黄色の光の球が浮かぶ。
お店を歩き、様々な方向から見たときの重なりの変化が出るようそれぞれの間隔や大きさを現場で調整しながら構成した。
木工やアイアンは、関西のRatchet-Osaka、岡博史、ギャル男研究所、HITTITEさんたちの各々のアトリエで製作された。

白い壁をキャンバスに中国人女性2人に、現場で絵を描いてもらった。
敷地沿いのキャットストリートは、かつて明治神宮から原宿へと川が流れていた場所があった。
その川は暗渠となったが、水が流れるように、人の流れがこのお店に流れるような願いも込めて、伝説の生き物である龍を表現した。

きらびやかな建物やインテリアが立ち並ぶ原宿の中で、どこか懐かしさが残る異空間に迷い込み、迷子になりながら、服や人との出会いと共に、歩くたびに姿を変える、一期一会の空間との出会いを楽しんでいただけたら幸いです。

※現場期間中は、仮囲いのスペースを利用して、大工の菊谷氏による初写真展が行われました。
印象的な眼差しを持った人物の写真に、通りすがりの人々の歩幅が変わり、菊谷氏が出会った「旅先の人」と「その時偶然原宿に居た人」との出会いが生まれていました。
この先に続いていく現場の仮囲いでも、引き続き写真展が開催されていくようです。